材料の固定に便利なクランプの使い方

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作業台などに木材や金属板などの材料を、一時的に保持して作業を助けてくれる便利な工具がクランプだ。加工する材料をしっかり固定することで加工の正確性が上がり、また安全かつ効率の良い作業を行うことができる。そんなDIY作業に欠かせない便利なクランプについて、様々な種類の違いや、その基本的な使い方などについて詳しく紹介しよう。

1.固定用の工具クランプとは
2.代表的なクランプの各部の名称と機能
3.基本的なクランプの使い方
4.様々な形があるクランプの種類
まとめ

1.クランプとは
クランプ(clamp)は、作業台などに材料を固定しておくためのツールだ。同じようものに万力(vice/バイス)があるがこの2つ機能的にはほぼ変わらず明確な違いはない。万力が作業台などに固定されているものを主にさし、それ以外のタイプがクランプと呼ばれているようだ。ネジの開け閉めなどによって素材をしっかりと作業台などに固定するというのは変わらないが、万力が素材そのものを万力の設置された作業台から動かないように固定するのに対してクランプは作業台や机と材料、材料同士など自由に組み合わせて固定することができる。そのためクランプは作業場所が限定されることもなく、また複数のクランプを用意すれば材料に対して様々な方向から、好きなように締めつけておくことできる。DIYでは仮固定などにも利用されており、複数のサイズや形状のものを用意しておくと作業の効率を大幅に上げることが可能だ。

2.代表的なクランプの各部の名称と機能
クランプの構造はとてもシンプルだ。固定したい材料と作業台、または材料同士などをアゴで挟み込み、ねじやバネなどによってずれないように固定するというもの。代表的なクランプがC型クランプとF型クランプだ。それぞれの各部の名称と機能を紹介する。

C型クランプ
F型クランプ

①ハンドル/この部分を回転させることでボルトをねじ込んだり、緩めたりする。
②口/ここに材料を挟み込む。F型クランプは腕をスライドさせることで挟み込む材料のサイズに自由に合わせることが可能だ。
③アゴ/この上下のアゴで固定する対象を挟み込む。材料にキズがつかないようにゴムや樹脂などが貼られている物もある。
④腕/この長さ分だけ自由にスライドさせられる。
⑤ボルト/ハンドルの回転運動を、直線運動に変換し材料に強く圧力を加える。

3. 基本的なクランプの使い方
簡単な構造なので説明は不要かもしれないが、代表的なクランプの基本的な使い方について紹介する。材料をはさみ固定するというのはどのクランプも同じだ。しかし固定したい材料の大きさや厚み、また加工のためにがっちり固定したいのか、接着剤が乾くまで仮固定しておきたいのか目的によって使い分けるといい。使用の際に注意することは柔らかい素材などの場合、クランプの圧力によって材料表面に傷をつけてしまう可能性があるということ。
あまり強度の高くないものに使用する場合はクランプのアゴ部分や口金に樹脂やゴムなどのカバーをついたものを使用するか、不要な木材などをあて木をするといいだろう。また、クランプのサイズやタイプなどバリエーションは非常に豊富な上さほど高価なものでもないので、サイズの合っていないものを無理やり使うようなことをせず、いくつかの種類、サイズを用意しておくと作業もはかどるはずだ。

①C型クランプの使い方
ネジを締めこむことで圧着するクランプの基本形ともいうべきなのがC型クランプだ。別名シャコ万力と呼ばれることもある。

その使い方は非常にシンプルだ。ハンドルを左に回しねじをゆるめたら下アゴ部分を動かして板材を挟む。

ねじをしっかりと締めこんでアゴ部分で材料を固定する。これでしっかりと固定することができる。ただし力の加わる部分が小さいので無理に締めこむとその部分が変形してしまうこともあるので注意。

②F型クランプの使い方
こちらもベーシックなクランプであるF型クランプ。別名、L型クランプとも言われ使い方の基本はC型クランプ同じだ。ハンドルを回転させねじを締めこむことで圧力をかけ対象を固定する。腕部分が接続部分の角度を変えるだけで簡単にスライドするのでスピーディな作業が可能なのが特徴だ。またC型クランプよりも厚みのある材料でも簡単に固定可能。

はじめに材料の厚みよりも余裕をもって腕をスライドさせる。スライドはハンドルを回す必要はなく軽く引っ張るだけで良い。アゴの幅を挟み込む対象の厚みや大きさに大まかに合わせよう。

上アゴと下アゴの間に固定したい材料を挟みこんだらハンドルを回転させボルトを締めつける。こうすることで腕部分にテンションがかかり、腕部分が固定される。ねじ込む力ささらに加えるとしっかりと固定される。

③ラチェットバークランプの使い方
スピーディな作業に便利なのがラチェットバークランプだ。ハンドルを回すのではなく、レバーで握ることでアゴ部分がスムーズに移動でき、素早く材料を固定できる。固定力はC型クランプのようなネジによる締めつけ型より少し劣るが片手で固定、解放ができるので作業性に優れている。

まず木材などを作業台の上におく。そして、ラチェットバークランプのアゴの部分を材料の下や上に置き挟み仮固定する。その際レバー部分は特に抵抗なくスムーズに移動可能だ。

挟み込む位置が決まったら、レバーを繰り返し握る。すると上のアゴ部分が徐々に下に移動していく。ラチェット構造になっているのでレバー部分を握れば、緩む方向にズレることはない。レバーを何回か繰り返し握ることでさらに圧力がかかり材料がしっかりと作業台に固定される

固定を解除するにはグリップ部分にある、解放レバーを握ればいい。するとワンタッチで圧力が解放されてレバーのある部分がまた自在にスライドできるようになる。あとはアゴを大きく広げて材料から取り外せばいい。

④バネクランプの使い方
クランプの中でも最もシンプルなのがスプリングのテンションで対象を挟み固定するバネクランプだ。固定力はあまり強くないが、洗濯ばさみのように直感的に使用できるため使い方は非常に簡単。接着剤で張り付けた材料同士をズレないように仮止めしたり、傷をつけたくないデリケートなものの固定に向いている。

洗濯ばさみのような見た目通り、使い方も洗濯ばさみと同じだ。グリップ部分にロックレバーが付いていたらそれを解除しグリップ部分を指で握り口金を大きく開く。

あとは対象をはさむだけでいい。手を離せばスプリングのテンションによって対象をはさみ固定できる。

4.クランプの種類
クランプには様々なタイプがあるのがその中でも代表的なものをいくつか紹介しよう。DIY作業に、これらすべてが必要なわけではないが、用途を特化したベルトクランプやコーナークランプは他のクランプではできない正確で確実な作業を助けてくれる。必要なシーンではこういったものをうまく活用することをおすすめする。

●C型クランプ

最も一般的なクランプで横から見るとアルファベットのCのような形をしている。シャコ万力とも呼ばれており対象をアゴ部分で挟んでからネジで締めつけることで材料を固定する。ねじを締め付けで力を調整できるがアゴ部分に力が集中してしまうため材料によってアゴ跡が残ってしまうことがある。サイズのバリエーションは非常に多彩で価格も比較的安価。DIY用としては、いくつかのサイズを揃えておくと重宝するだろう。

●G型クランプ
構造的にはC型クランプとほぼ同じなのがG型クランプだ。違いはハンドル部分がグリップ状になっていること。使い方に関してもC型クランプと同様だがグリップ状のハンドルがあるためC型クランプより簡単で、スピーディに締めつけることが可能だ。

●F型クランプ

材料を挟む部分が大きくスライドするためC型やG 型よりもより幅広いサイズの材料に対応できるのがF型クランプだ。締めつける力はC型クランプほどではないが材料の固定や接着、仮組など幅広い用途に適している。ただし、構造状C型クランプなど大きくかさばり、あまり小さな材料の固定にも向いていない。

●バネクランプ

大きな洗濯ばさみのような形をしたクランプがばねクランプだ。別名スプリングクランプとも呼ばれる。使い方は非常に簡単で洗濯ばさみのように対象を挟むだけだ。機械的に固定するのではなくスプリングの力だけで固定するので固定力はあまり高くないが他のクランプのように固定にねじを何度も回す必要がなく、スピーディな作業ができる。接着や仮固定などに向いている。

●ラチェットバークランプ

レバーを何度も握ることで口が閉じていき材料をしっかりと固定できる。片手で使える便利なクランプがラチェットバークランプだ。ラチェット構造になっているので締め付けると簡単に開放されない。固定を解除するにはボタンやレバーを操作するだけでワンタッチで行える。締めつける力はさほど強くないが作業性に非常に優れている。

ラチェットバークランプはグリップ部分が取り外せ、これをバーの反対側に取り付けると、締め付けるのではなく押し広げるためのツールとしても利用できる。間違って接続してしまった部品の分解や、材料どうしを剥がすような作業にも便利にしようできる。

●ベルトクランプ

内側に材料を配置して、周囲を囲ったベルトを締めつけることで、四方から圧力をかけることができるクランプがベルトクランプだ。四隅に材料と密着する部分があり、ベルトで均等に締めつけることで、四角いものをずれることなくしっかり固定できる。箱型に組んだ木材などを接着し固定しておく際に便利。

コーナークランプ
木工作業などで、材料を直角に仮止めしたいときに便利なクランプがコーナークランプだ。ハンドルを締めつけることで材料どうしが直角に交わった状態でしっかりと固定でき額縁など正確に箱型に組み合わせて接着したいときなどに重宝する。

●トグルクランプ
作業台や治具などにビスなどで固定して使用するクランプがトグルクランプ。レバー操作で先端部分で簡単に材料をしっかりと固定可能。締め付けや解放がレバーを倒すだけなので同じ作業を何度も繰り返さなくてはならない場合に便利。万力のようにも使用可能だが作業台の端だけでなく好きな場所にビスで固定することができるのが特長となっている。

●ハタガネ
クランプの日本版ともいうべきなのがハタガネだ。機能は基本的にクランプと同じだが締めつける際の調整が比較的やりやすい。材料をはさみ固定するアゴ部分が、回転しない上、アゴ全体を使って締めつけるので、厚みのない板なども固定できる。

まとめ
クランプはDIY作業に欠かせないツールの一つだが、使い方を誤ると材料の固定が甘くなり加工を失敗してしまうこともある。また、材料の固定が緩いと加工に使用する電動工やのこぎりが作業中にズレ、けがにつながることもあるので注意が必要だ。目的やつかむ対象の大きさにあったものを使うようにしよう。できればサイズ違いでいくつか揃えておくのがおすすめだ。