DIYなどで余らせてしまった塗料は、そのままではゴミで処分することは出来ないため意外と厄介なもの。ではどうすればいいのか? そんな悩みを解決してくれる塗料固化剤を使った余った塗料の処分方法を紹介する。
1.塗料固化剤、残塗料処理剤とは
2.余った塗料の処理方法
3.処理理した塗料の捨て方
まとめ
1. 塗料固化剤、残塗料処理剤とは
塗料固化剤とは、その名の通り、液体である塗料を吸水し閉じ込め、固形化することで処理しやすくするというアイテムだ。塗料固化剤、残塗料処理剤、ペイント固化材などの商品名で各塗料メーカーから発売されているがそれぞれ基本的な機能は変わらない。
使われている成分もほぼ共通しており自重の100~1000倍もの水分を吸収でき、吸水後は圧力をかけてもほとんど離水(吸収性ポリマーなどに一旦保持された液体がその後にじみ出てくること。)しないという特徴を持つ高吸水性樹脂(吸収性ポリマー)が使われている。 使い方も非常に簡単でこれらの処理剤を残った水性塗料や油性塗料に混ぜるだけで、簡単に塗料を固化(物質が気体または液体の状態から固体の状態に変化すること)でき、簡単に廃棄できない塗料が一般のごみとして処理できるようになるというものだ。
2.余った塗料の処理方法
DIYでは様々な種類の塗料が使われる。そしてほとんどの場合作業途中に塗料が切れることがないように多めに用意しておくものだろう。しかし、多めに用意しておけば当然ながら余ってしまう。もし余らせてしまってもしっかりと保管して別の機会に活用できればいいのだが、そのまま放置され、いつのまにか変質してしまったり、固まって使えなくなってしまったなどということになりがちだ。
そうような状態になる前に、余ってしまった塗料は正しい方法で処理してしまうのが賢明だろう。少量であれば新聞紙や布などに染み込ませてから分別してゴミとして処理してもいいが、大量残ってしまった塗料をまとめて処理するなら塗料固化剤などを使用するのがおすすめだ。
塗料固化剤は各塗料メーカーから発売されており様々な商品がある。しかし、基本的な成分や機能はほぼ変わらず、使い方もどれも基本は混ぜるだけ。その使い方の手順は以下のように非常に簡単だ。
①塗料固化剤
②固化材を3袋用意
③余った塗料をバケツに集める
④容器こびりついた塗料もかきだす
⑤塗料に少しずつ固化材を混ぜる
⑥攪拌する
⑦固化した塗料をゴミ袋に入れる
⑧おから状になった塗料を乾かす
⑨缶に残った塗料はペーパータオルでふき取る
⑩容器を乾かし自治体のルールに沿って処分する
⑪塗料をふき取ったペーパータオルも乾燥
⑫水分がある程度抜けたらゴミとして捨てる
3.処理した塗料の捨て方
多くの自治体は塗料を液体のまま回収することを不可としている。理由はペンキを液体のまま回収するとゴミ回収車を汚してしまう可能性がある上、ペンキの中には引火性や有害性があるものがあるので徹底した分別が必要であり、回収が困難だからだ。そのためどのようにして捨てればいいかわからないという人も多いようだ。
だからといってそのまま下水などにそのまま流すなどということは言語道断。環境にも悪影響となるうえ、下水施設にまでダメージを与える可能性もあるので絶対にやめてほしい。塗料は正しい方法で処理したうえで、キチンとした処分が必要なのだ。そしてその方法の一つが塗料固化剤を使った処理&処分方法である。塗料固化剤で塗料を固形化したものや、ペーパータオルに吸収させたものであれば、自治体にもよるが多くの場合燃えるゴミとして処分することが可能だ。これなら面倒もない。 また、缶や瓶などの容器も、塗料をふき取ればそれぞれ資源ゴミとして回収してもらう(自治体によっては燃えないゴミとなる場合もある)ことができる。
もし、容器内で塗料が固まってしまってふき取ることが困難な場合は、そのままの状態で「燃えないゴミ」として出すことになるだろう。ただし、これも自治体によって対応が異なるのでわからない場合は、自治体に直接問い合わせてみよう。
まとめ
DIYに塗料は欠かせないものだが、余ってしまうとその処分が思いのほか面倒なもの。少量なら古新聞などに塗り広げて燃えるごみとして捨てればいいが大量に残った塗料はそうはいかない。そんなときに便利なのが塗料固化剤だ。
適切に使えば余った塗料を燃えるゴミとして簡単に処分することができる。ただし、気を付けなくてはいけないのが塗料固化剤などで処理した塗料の分別に関してだ。自治体によってルールが異るので最終的な処分に関しては居住する自治体のホームページなどで確認し欲しい。面倒だからと適当に捨てるようなことはせず、自治体のルールを守って正しく処分するようにしよう。
■(著)山田芳照 :残った塗料の処分方法、DIY技術監修、DIY講師