収納するモノの大きさに合わせてスペースを簡単に調節できる
扉のないオープンタイプの収納キャビネットは使用するたびにいちいち扉を開閉する必要が
なく、収納したものを取りだしやすいうえ片づけやすいのが大きな特徴です。
そのため手紙や封書、書類などの保管や整理。頻繁に使用する食器や調味料類、衣類や本などと
いったものの片づけに適しています。お子さんのおもちゃの収納にも良いかもしれません。
また、取り出しやすく片づけやすいという特徴を生かしてDIY用の工具などをしまっておく
のにもぴったりでしょう。棚板を取り外し式としておけば工具や道具の大きさに合わせてスペー
スも調整できるので大型の工具などもしまうことが可能です。収納したものが外から見えるのでお気に入りのアイテムなどを飾る棚として使うのにも適しています。家具や床の色に合わせてカラーリングを楽しむのも良いでしょう。ただ、扉がないのでホコリを防ぐことはできません。
頻繁な掃除が必要となります。基本は枠となるキャビネット本体に、取り外しできる棚板を組み合わせたものなので、作るのも比較的簡単です。そのためDIY初心者にもおすすめです。作るうえで注意したいのが、棚板を支える棚ダボ用の穴を正確に開けるということ。穴の位置がずれてしまうと棚板が斜めになってしまうので見た目にも美しくありませんし棚としての機能も損なわれてしまいます。正確に採寸して正しい位置にダボ穴をあけるようにしてください。また側板に開けるダボ穴は、穴の深さにも気をつけてください。貫通穴にしてしまうと後から埋めることもできますが、見た目が悪くなってしまいます。ドリルビットに取りつけてあける穴の深さを調整できるドリ
ルストッパーなどを使うと簡単に適切な深さの穴をあけることが可能なのでおすすめです。
仕切り板にダボ穴をあける
1)本体には18mm 厚のシナ合板を使います。ホームセンターのカットサービスで寸法どおりにカットしてもらいましょう。
2)カット済みの材料全てのエッジにサンダーをかけて、バリや荒れなどをすべて取り除きましょう。
3)次にダボ穴をあける位置に線を引きます。このように2枚ずつ固定して一度に線を引いてしまうと作業がスムーズです。
4)今回は縦4 段、横3 列の棚にします。縦板の上から142mm、281mm、420mm の位置にダボ穴用の線を引きます。
5)こちらが使用した棚ダボです。差し込み式で径は6mm(軸は3.5mm)。デザインやカラーはお好みのものを選んでください
6)側板に棚ダボ用の止まり穴(貫通でない行き止まりの穴)をあけるのにドリルストッパーを使用しました。
7)このように3.5mmのドリルビットに通し、6mmの深さになるように調整してから固定用のネジを締めこんで取りつけます。
8)ドリルストッパーを使うと一定の深さで止まり穴があけられます。キャビネットの奥、手前、両方にダボ穴をあけます。
9)内側の2枚の仕切り板は両面にダボを取りつけるので貫通穴で構いません。下に捨て板を敷き一気に穴をあけてください。
10)これで側板と、2 枚の仕切り板にダボ穴をあけられました。穴の位置にずれがないか確認しましょう。
11)次は天板と、底板に仕切り板を取りつける目安となる線を引きます。先ほどと同じように2 枚まとめて一度に引きましょう。
12)キャビネットの組み立てには90度接合ジグを使います。
キャビネットを組み立てる
1)まず側板と天板を組み立てます。木工用接着剤を側板側の断面に塗ってから天板と組み合わせてください。
2)90度接合ジグを使うと正確に組み立てることが可能です。細ネジを板材が割れないよう注意しながらねじ込みます。
3)次にキャビネット内側の仕切り板2枚を固定します。ダボ穴の位置があっているか確認してから組み立ててください。
4)キャビネットの形になりました。フレームにゆがみがないか、各棚スペースがそろっているかチェックします。
5)次に裏板を取りつけます。裏板には5mm厚のMDF材を使用します。キャビネット側のふちに木工用接着剤を塗ります。
6)裏板をキャビネットの裏側に置いたら細ネジで固定していきます。ネジは対角線上に締めこんでいきましょう。
7)キャビネット本体のダボ穴に棚ダボを取りつけていきます。きつい場合はドライバーの柄などで軽く叩き込みます
8)写真では全てのダボ穴に棚ダボを取りつけていますが、実際には使用する棚板の分だけ取りつければいいでしょう。
9)こちらが用意した棚板です。ホームセンターのカットサービスでカットした250×120mm、9mm厚のシナ合板9枚です。
10)使用する棚板すべてのエッジにサンダーをかけて、バリや荒れなどを取り除いておきましょう。
11)棚板を置いたらキャビネットの完成です。お好みで塗料や木材塗装用ワックスを使って塗装してみてもいいでしょう。
■(著)山田芳照 :オープン収納キャビネットデザイン、DIY技術監修、DIY講師