耐荷重性が高く、動きがスムーズ大型の引き出しにはとくにおすすめ
規則的に配置されたベアリングでレールをスライドさせるタイプです。耐荷重は30kg前後あり、資料用キャビネットの引き出しなども軽く開閉するように作ることができます。取り付けは引き出しの側面。インナーとアウターのレールを組み合わせた状態で取り付けできるため、位置合わせがシンプルです。ここではジグを使用する簡単な取り付け方を紹介します。
■ベアリングタイプの選び方
【長さ】50mmごとに用意された標準規定サイズのなかから、引き出しの奥行きに合わせて選びます。
【スライド量】インナーレールとアウターレールを組み合わせた2段引きタイプは、レール全長の1/4程度の引き残しがあります。中間レールが入る3段引きタイプは、レールの全長と同じ長さを引き出すことができ、引き残しはありません。
【オプション機能】スイッチを押すことで脱着できる「引き抜き」機能、ゆっくり閉まる「ソフトクローズ」機能、途中から自動的に閉まる「オートクローズ」機能などのついたタイプが用意されています。
レールを側面に取り付けるため、引き出しの横幅はレールの厚み2本分(使用製品は12.5×2=25mm)を本体の内寸横幅より小さく作る必要があります。
ベアリングタイプは脱着可能なものでも前方にまっすぐ引き抜くことができます。引き出し上下のクリアランスは5mm程度とっておけばよいでしょう。
1)引き出しの高さの半分に、上部に必要なすき間5mmを足した寸法で、本体側板に印をつけます。
2)①の印からスライドレールの高さの半分を下げた位置に、取り付けの目安にする線を引きます。
3)今回は取り付けをサポートする便利なアイテム、スライドレール取り付けジグを使います。
4)②の線に合わせてクランプでジグを固定します。ジグは側板の前面と直角が出るようになっています。
5)スライドレールの前端を側板の前面にそろえてジグにのせます。①の印はレールのまん中にきています。
6)インナーレールを前方に少しずらし、アウターレールの取り付け穴を出して下穴をあけます。
7)ネジを締め付けてアウターレールの後端を固定します。取り付け穴はどれを選んでもかまいません。
8)インナーレールをさらに前方にずらし、アウターレール前端の穴を見えるようにしてネジどめします。
9)長いスライドレールを取り付ける場合は、前・中央・後の3か所をネジどめして固定しましょう。
10)反対の側板のアウターレールも固定します。左右の高さがずれないように正確に作業してください。
11)引き出しの高さ、上下のすき間を計算して、箱の下端になる位置に印をつけます。
12)⑪の印に高さを合わせてスライドレール取り付けジグを固定します。
13)左右のインナーレールを引き出した状態で引き出しを入れ、そのままジグの上にのせます。
14)インナーレールの前端を箱の前面に合わせます。
15)インナーレール前方の取り付け穴に下穴をあけてから、ネジを締め付けます。穴はどれでもOKです。
16)引き出しの反対側も同じようにし、両方のレールの前端を先にネジどめします。
引き出しごとインナーレールを前に出して、後方の取り付け穴をネジどめして取り付けは完了です。
ヒント
ジグを用意できない場合は、角材で代用できます。その際は側板前面から直角の線を引いて、高さをそろえて固定しましょう。
■(著)山田芳照 :べアリングタイプデザイン、DIY技術監修、DIY講師