シンプル&リーズナブルで引き出しの脱着も簡単
インナーとアウター、2本のレールを組み合わせて使用し、それぞれについたローラーによって引き出しをスムーズに開閉するスライドレールです。本体側と引き出し側に別々に取り付けるタイプのため作業はしやすいですが、そのぶん正確な位置合わせが求められます。前後から作業できるように本体の背面はあけておき、終了後に背板を取り付けましょう。
使用したのは箱の下角に取り付ける底付けタイプ。50mm刻みで用意されたサイズのなかから取り付けスペースに合うものを選びます。耐荷重があまり高くないので、小さく浅い引き出し向きです。
ローラーの高さ分を持ち上げて引き出しを脱着します。そのため引き出しの上部に20mmほどの余裕が必要で、スペースに対して箱を低く作る必要があります。
ローラータイプはその構造上、引き出しの奥に引き残しがあります。箱の奥行がレールより長いとそのぶん引き残しが増えるので、設計時には注意しましょう。
収納本体への取り付け位置を決める準備として、引き出しの箱の外寸高さを確認します。
箱の高さより上部20mm、下部10mmがあくように、レールの取り付け位置を決めて線を引きます。
ヒント
箱の上部と天板のすき間については説明書に記載があるはずですが、わからない場合はローラーの直径に2〜3mmの余裕を加えた寸法を目安にしましょう。
②の線に本体側アウターレールの下端を合わせて仮どめします。可能なら本体を寝かせて作業してもよいでしょう。
アウターレールの前後にある縦長の穴に、下穴をあけてネジで固定します。この穴は後ほどアウターレールの高さ調整が必要になった場合に備えた仮どめ用です。この時点では動かない程度に締め付けておきます。
側板に2本のアウターレールを取り付けたところ。左右が同じ高さになるように、正確に測って位置決めしましょう。
引き出しの側板と底板の角に、底側にネジを打ってインナーレールを固定します。レールは箱の前端に合わせます。
2本のインナーレールの取り付けが完了したところ。着脱式のレールなので、作業が楽に行なえます。
引き出しを斜めに持ち、アウターレールのローラーにインナーレールのローラーを乗せるようにして差し込みます。
引き出しがまっすぐスムーズに開閉することを確認できたら、丸い穴にネジを打って本固定し、仮どめ用のネジを抜きます。左右の高さがずれていたら、仮どめ用のネジを緩めて微調整し、高さをそろえてから本固定してください。
■(著)山田芳照 :ローラータイプデザイン、DIY技術監修、DIY講師