和風、洋風問わず映える、伝統素材
漆喰は、古くから日本の建築物の壁や天井に使用されている、伝統的な素材です。断熱性、防火性、調湿性に優れ、壁の凹凸やひび割れを隠すのにもってこいの優れた建材として知られています。白を基調としたものが主流ですが、最近はカラフルな商品も数多く発売されていますので、部屋の雰囲気や好みに合わせて選ぶことも可能です。平らに塗るだけでなく、あえて凹凸を作るように塗れば、和室にも洋室にもマッチする、デザイン性に富んだ壁を演出することもできるでしょう。乾燥して固くなると扱いにくくなりますので、事前に作業手順をしっかりと把握し、手早く、効率よく作業することがポイントになります。
Before
コテの使い方の注意点
コテを壁に当てる際、エッヂが
立ちすぎると筋ができやすくなるので、極力面の部分を使うようにします。
コテは洗いながら使う
コテについた漆喰が固まってしまう前に水で洗い流します。1度目の塗りが終わったら必ず洗
いましょう。
薄く2回塗りで仕上げる
壁の周囲をマスキングテープで養生します。塗り厚みを考慮して壁際から3mm程度離してテープを貼ります。
床面はマスカーを貼って、広めに養生します。
下地の吸い込みを防ぐために、プライマーを壁全体にぬります。
おたまを使って、コテ板の上に漆喰を適量のせます。
コテを使って練りを加えるとやわらかくなります。練りやすい固さに調整します。
コテの面の約半分程度を目安に漆喰をのせます。
1回目は下地塗りです。コテを壁に軽くあてて、下から上に向かって塗っていきます。コテの上を少し上げるとなめらかに塗れます。
壁の隅は、コテの先端を利用して塗ります。下地が見えないように塗ってください。
凹凸ができたり筋が入ったところは、コテを左右、上下に動かして均一になるように塗ってください。
1回目が塗り終わったらいったん乾燥させます。表面のしっとり感がなくなり色が少し変わってきたら乾いた状態です。
2回目は、下地が隠れるように全体を均一に塗っていきます。コテを少し強めにあてて表面をこするように動かすときれいに仕上がります。
最後に細かな凹凸を地ベラを使ってならします。漆喰が乾く前に養生テープを外します。
■(著)山田芳照 :壁に漆喰を塗るデザイン、DIY技術監修、DIY講師