障子紙は、日焼けで黄ばんだり、ホコリで黒ずんだりするだけでなく、うっかり穴を開けてしまうこともあります。小さな損傷なら部分的な補修で済みますが、障子紙全面を張り替えるとなるとつい尻込みしてしまう人もいるでしょう。ただ、張り替えのポイントさえ掴めば、比較的手軽にまっさらな障子を復活させられます。障子の張り替えのポイントは、古い障子紙を残さずきれいに取り去ること。そして、新しい障子紙をシワができないように焦らず丁寧に貼ることです。何度かに分けて貼る半紙判の障子紙を使えば、張り替えに慣れていなくても簡単に作業を進めることができます。
扱いやすく、使い勝手のいいサイズの半紙判の障子紙を使います。
はがし液
ビニールシートや新聞紙を敷いて床を養生し、紙が貼ってある側を上にして障子を寝かせ、桟に沿ってはがし液を塗ります。
桟に紙がのり付けされている部分すべてにはがし液を塗り終え、5 分ほど放置し、液を浸透させてのりを十分に溶かします。
障子の端から、巻き取るように紙をはがしていきます。溶けたのりが乾いて再び固まってしまう前に、手早く作業しましょう。
紙を完全にはがしたら、桟にところどころ残っている固まったのりを、プラスチックヘラでこそげ落とします。桟が傷つかないよう注意しましょう。
さらに、桟に付着している溶けたのりや、落としきれなかった固まったのりは、水に濡らして固く絞ったスポンジで残さず拭き取ります。
ここまでの作業で障子枠全体が濡れているので、乾いたウェスを使って乾拭きします。水気を取ったら、1 ~ 2 時間陰干しして乾燥させます。
枠に沿って新しい障子紙を広げ、片側をマスキングテープで留めるておくと作業しやすくなります。
障子のり
フチには、紙の位置を決めるための段差(紙じゃくり)が設けられています。まずはそのラインに沿ってのりを塗ります。
続いて、本体内側の桟にものりを塗っていきます。まずはカットした障子紙、1枚で隠れる部分の桟に塗ります。
のりを塗り、紙を貼るという作業を繰り返し、すべての桟が覆われるように新しい障子紙を貼っていきます。
カット定規
周囲のフチに沿ってカット定規を当て、カッターで余分な部分を切り落とします。カッターは極力寝かせて使い、刃はこまめに折って切れ味を保ちます。
最後に障子枠を立て掛け、霧吹きで紙全体にまんべんなく水を掛けます。陰干しをして乾けば紙がピンと張り、シワなく仕上がります。
■小さな破れの補修
全体を張り替えるまでもない小さな穴や破れは、障子紙を適当なサイズにカットし、貼り付けて補修します
■(著)山田芳照 :障子の張り替えデザイン、DIY技術監修、DIY講師