物差しが長さを測る定規であるのに対し、スコヤは主に角度を確認するために使う角度定規のひとつです。日本でのスコヤという呼び方は、英語の「スクエア(四角形、直角)」に由来するといわれています。
一般的なスコヤのほとんどは、妻つま て 手がアルミか真ちゅう、長なが て 手がステンレスで作られていて、正確な直角に固定されています。サビたり歪んだりしにくく、長く精度を保ちます。厚みのある妻手を材料にあてて直角の線を引くほか、材料や工具の直角、接合部分の組みつけ精度(直角)の確認、平面度の確認、目盛りが振ってあるものは寸法の測定に使えます。同じような作業はさしがねでもできますが、歪みや曲がりが出にくいぶん、スコヤのほうが信頼度は高いといえます。妻手に厚みがあるため、押しあてたり、自立させたりしたときの安定性が高く、使い勝手がよいのも特徴です。
90度と45度の角度を持ったスコヤは、止とめがた型スコヤと呼びます。材料にあてるだけで、直角のほか、木工で「留め」と呼ぶ45度の線を一発で引くことができる定規です。木材を45度にカットする加工はよくあるので、木工作業が多い場合は持っていると重宝します。
■直角の確認
木工でていねいに作品づくりをする場合、寸法と同時に角度の精度が求められます。完成した作品に歪みが出ないようにするには、使用する工具や作業工程での直角の精度を、スコヤを使ってチェックする必要があります。
■ 45 度、90 度の線を引く
■(著)山田芳照 :スコヤ、DIY技術監修、DIY講師