普段は部屋の隅に置いておき、使いたいときに使いたい場所へ移動できるワゴンは、さまざまな空間、シーンで活躍する収納アイテムです。この魅力を最大限に引き出せるのが、それぞれの使用条件に合わせてサイズや仕様を決められるオリジナルのワゴンです。収納は増やしたいけれど、スペースの余裕がないとお困りなら、インテリアに溶け込むような素敵なワゴンを作ってみませんか。ここでは製作前に知っておきたい基本的な知識やアイデア、本格的なキッチンワゴンの作り方を紹介します
完成サイズ:幅518×奥行400×高さ848mm
材料
・集成材(厚さ18mm)
天板:400×500 1枚
天板延長部分:400×220mm 1枚
棚板:300×395 2枚
・加工材(厚さ45mm)
脚:45×830mm 2本
45×780mm 2本
・加工材(厚さ30mm)
脚つなぎ材:40×250mm 4本
40×345mm 4本
・合板(厚さ9mm)
引き出し側板:100×370mm 1枚
100×325mm 1枚
100×300mm 2枚
引き出し底板:300×305mm 1枚
・加工材(厚さ9mm)
引き出し補強:9×90mm 4本
9×290mm 2本
9×305mm 2本
・径8mm丸棒
・折りたたみ式棚受け金具 200mm 1セット
・キャスター 38mm 2個
・スライドレール 246mm 1セット
・取っ手 1個
・L字金具 4個
脚を組み立てる
脚の上部と下部のつなぎ材を組みつけるところに印をつけ、8mmのドリルビットで深さ20mmのネジ穴をあけます。下部のつなぎ材は、長い方の脚の下端から14mmの高さにしています。
90mmの細軸コーススレッドで、2本の脚とつなぎ材を固定します。つなぎ材の下に厚さ8mm程度のスペーサーを置いて、位置を調整しながら組みつけています。木材同士を接合するところには、強度を高めるために木工用接着剤をつけておきます。
脚の長さが違う枠を2組、組み立てました。短い足の下端には、後ほどキャスターを取りつけます。
250mmのつなぎ材で、2組の脚枠を組みつけます。上部をネジどめするときは、写真のように作業台に置くと材料の上面がきれいにそろいます。ここでも8mmのスペーサーを使って、脚とつなぎ材の位置を調整しながら作業しましょう。
続いて下部のつなぎ材もネジで固定します。先に打ったネジと干渉しないように注意します。
脚の組み立てが終わりました。
きれいに仕上げたいので、埋め木処理をしてネジ頭を隠します。径8mm丸棒を適当な長さにカットして、ネジ穴に叩き込みます。
アサリ(刃の先端の広がり)がないダボ切りノコギリで、穴からはみ出た丸棒をカットし、表面をサンダーで磨いて平らに均しましょう。
短い方の足に30mm木ネジでキャスターを取りつけます。
天板、棚板を取りつける
クランプを使って天板を仮どめしておき、折りたたみ式棚受けを位置を合わせてネジどめします。金具は長い方を脚につけるように位置を決め、マスキングテープで仮どめをしておきましょう。
脚つなぎ材の下側から下穴をあけ、30mm木ネジで天板を固定します。棚受け金具のヒンジが、半分出るように天板の位置を決めてください。
スムーズに開閉できるように、天板から5mmくらいの隙間を開けて延長天板をネジどめします。天板との間にスペーサーをはさんで作業すると、均等に隙間をあけられます。
脚の間隔を測り、ちょうどよく収まるように2枚の棚板の角を切り落とします。
下段はつなぎ材の下側から下穴をあけ、30mm木ネジで棚板を固定します。
中断の棚の高さを決めて脚にL字金具をネジどめし、上に棚板を固定します。
引き出しを取りつける
90mmの補強材を四隅に入れて側板を組み立てます。補強材は側板の上端に合わせて取りつけ、下側に底板受けとして残りの補強材を固定してから底板を入れます。写真ではタッカーを使って組み立てていますが、小ネジや小クギでも固定できます。
正面に取っ手をネジどめします。
付属の指示書に従って取りつけ位置を決め、スライドレールを本体にネジどめします。
スライドレールに引き出しをネジどめします。
延長天板と引き出しのついたナチュラルなキッチンワゴンが完成しました。キャスターがついていない方の脚はストッパーのかわりをします。少し持ち上げると移動できます。
■(著)山田芳照 :キッチン収納ワゴンデザイン、DIY技術監修、DIY講師