スパッとすばやく、真っすぐに切断!
電動丸ノコは、回転するノコ刃で材料を切断する、直線専門の電動工具です。直線切りは、ノコギリやジグソーよりも格段に速く、しかも正確。高速回転する刃で安定して切り進むので、切り口もなめらかです。切断する材料が多い家具やウッドデッキの製作では、作業効率アップのために使いたい工具です。電動丸ノコには取りつけできるノコ刃の直径によって、いくつかのサイズがあります。代表的なものは、145mm、165mm、190mmの3種類あり、それぞれ切断できる板の厚みが異なります。大きいほど厚い材料を切断できますが、そのぶん本体が重くなります。厚い材料をよく切る目的がなければ、取り回しやすい小さいサイズをおすすめします。90度と45度での「最大切り込み深さ」が参考になります。2×4材の木口を45度にカットする必要があれば165mmを、そうでなければ145mmを選ぶとよいでしょう。コードタイプが主流だった電動丸ノコにも、最近は充電式のコードレスタイプが増えてきました。コードタイプに比べてパワーが弱いですが、取り回しやすいので、初心者にも扱いやすいといえます。
■切り込み深さの調整
切断する材料の厚みにあわせて、切り込み深さ(刃の出具合)を調整します。刃が出すぎていると、負荷が増えるなど危険なことがあるので、材料より少し出る程度の量にしておきます。作業は、必ず電源プラグを抜いて(バッテリーをはずして)行ってください。
ベースの位置を固定しているネジをゆるめ、ベースを動かせるようにします。
切断する材料にベースをあて、刃が材料から少し出る程度に調整し、ネジで固定します。
■材料を固定する
安全のため、クランプを使って材料を作業台に固定しておきます。切り落とす側の下には台を置かず、フリーにしておきます。
木材をまっすぐ切る
安全かつ正確に、直線を切るための基本
作業をするときは、切る方向を正面に見られる位置に立ち、腕を動かしやすいよう体は半身にかまえます。切りはじめの位置をあわせ、刃を材料から少し離した状態でスイッチを入れ、回転が安定してから切りはじめます。切り終わったら、スイッチを放し、刃の回転が止まってから持ち上げましょう。
切断するときは、2mm ほどあるノコ刃の厚みを考慮して、線を残す位置で切り進めます。
直角定規を使うと、正確かつ簡単に直角を切ることができます。ベースをしっかり押しつけましょう。
■大きな板を切る。
大きなパネル材などを切断する場合は、板をクランプで固定した直線治具を使います。丸ノコの刃からベース端までを測り、切断する線から同じ寸法を測った位置に板を固定して治具とします。
角度をつけて切る
刃の傾斜角度を調整
たいていの丸ノコは、最大45度まで刃を傾斜させて切断することができます。額縁などの枠もの、棚などの箱ものを、45度で突き合わせて作りたいときに活躍します。
角度調整ネジを緩め、45 度など切りたい傾斜角度にベースを調整した状態で切断します。
材料を45 度に切断して突きあわせると、枠をきれいに直角に組む留め継ぎができます。
■(著)山田芳照 :電動丸ノコ、DIY技術監修、DIY講師