下開き扉の取り付け方
フラットに開く扉にすると設置場所や用途が広がる
低いところに設置する横長の収納に取り付けることが多い下開き扉。このタイプにおすすめなのがドロップ丁番です。この丁番は開くと底板と扉がフラットになるのが特長。床置きでも中の物を出し入れしやすく、テレビボードなどに使われます。また開いた扉は棚板や作業台として利用できるので、チェスト上段の扉に使うと利便性を高めることもできます。
ドロップ丁番で取り付けた扉は、閉じると丁番の厚みの分が底板にかぶります。それを計算に入れて扉のサイズを決定する必要があります。
今回使用しているのはごく一般的なドロップ丁番です。このほか、閉めたときに扉が全かぶせになるタイプも選べます。
開いた状態で扉を支えるステーと、閉めた状態の扉を保持するラッチを併用します。ソフトダウンステーを使用すると、扉の開く速度を調整できます。
1)本体側は左右それぞれの端から50mmのところを丁番の取り付け位置にします。前から8.5mm内側が中心です。
2)扉側は左右それぞれの端から68mmになります。本体と扉をくっつけて現物で位置合わせをしてもOKです。
3)取り付け穴は30mm径のボアビットで深さ4mmの止め穴を掘り込みます。ドリルを手持ちで作業する場合は、油性ペンでビットに深さをマークしておくとよいでしょう。この作業には正確な加工ができるボール盤を使用することをおすすめします。
【囲み】
使用しているドロップ丁番は、全長48mm、全幅30mm、厚み4mmのもの。取り付け穴は30mm径のボアビットを使い、丁番の形状に合わせて一部がかけた円形に加工します。取り付け穴の中心は本体(または扉)の端から8.5mmです。計算方法は下記の通り。
[1枚のプレートの長さ(23.5mm)]−[半径(15mm)]=8.5mm
4)取り付け穴の中心にボアビットの先端ドリルを合わせて、一部が欠けた円形の穴を掘ります。深さは使用したドロップ丁番の厚みと同じ4mmです。正確な深さに掘る必要があるので、ドリルを手持ちで加工する場合は丁番をあてて確認しながら作業しましょう。
5)扉の左右に取り付け穴を掘ります。加工の精度が求められるので、先に端材で試し掘りをしておくとよいでしょう。
6)本体側も同じように底板に取り付け穴を加工します。ボール盤を使う場合は、加工後に本体を組み立てます。
7)取り付け穴にドロップ丁番をはめ、下穴をあけてから3か所にネジを打って固定します。
8)本体の底板に2枚のドロップ丁番を取り付けたところ。丁番のヒンジ部分が底板と平行であることが大切です。
9)同じように扉側の穴にドロップ丁番をネジどめします。これで扉の取り付けは完了です。
Check!
ドロップ丁番は2枚のプレート形状が非対称です。凸型が本体側、凹型が扉側と向きが決まっているので、取り付け時には注意しましょう。
10)扉を全開の90度まで開いた状態に合わせてステーを取り付けます。(詳しい取り付け方法はP23を参照)
11)本体天板の中央にマグネットラッチを取り付けます。(詳しい取り付け方法はP29を参照)
12)ラッチ本体と位置を合わせて扉にプレートをネジどめします。
13)下開き扉の取り付けが完了。扉の表面にお好みのつまみや取っ手を取り付けて完成です。
■(著)山田芳照 :下開き扉の取り付け方デザイン、DIY技術監修、DIY講師