投稿者: 丁番取り付けの基本
開き扉の取り付けに欠かせない金具、丁番を扱う前に知っておきたいこと
丁番の種類と選び方
収納で使う代表的な丁番
収納ＤＩＹで使用することの多いのが、１本の軸を中心に２枚のプレートが開閉するタイプの丁番です。一般的な用途では、シンプルな構造の角丁番を使うことが多いでしょう。ただ、角丁番は扉と本体の間に目立つすき間ができるので、仕上がりを重視する場合は材料を掘り込む必要があります。
同じ２枚プレートタイプでも無加工ですき間を小さくできるタイプや装飾を兼ねて外側につけるタイプ、また異なる構造で扉の裏に隠れるタイプなどもあります。外観を気にする製作物では、これらの丁番をうまく使い分けるとよいでしょう。
角丁番
もっともオーソドックスな丁番で、サイズも豊富。材料を加工しないと、扉を閉じたときにすき間が目立つのが欠点です。
フラッシュ丁番
扉を閉じたときに2枚のプレートが重ならず、1枚の厚みに収まります。簡単な取り付けでもすき間を最小に抑えることができます。
飾り丁番
外側に取り付けるタイプの丁番です。アンティーク調などの装飾が施されていて、家具のデザイン要素の一部となります。
スライド丁番
扉を閉めると外側から見えません。90度まで開いても扉が本体の外側に出ないため、側面を壁につける収納にも使用できます。
サイズを選ぶ
取り付ける扉の大きさ、重さに対して丁番が小さすぎないことが大切です。製品に耐荷重が表記されていない場合は、メーカーのカタログなどを参考にしてサイズを選びましょう。また、丁番が扉の厚みからはみ出さないかも確認してください。
角丁番やフラッシュ丁番はサイズが細かく用意されています。扉の材料を決めたら、厚みに適したものを選びましょう。
丁番取り付けのポイント
位置決めと固定の注意点
丁番は通常、１枚の扉に対して２つ取り付けます。丁番の位置にこれといった決まりはありません。ただ、2つの丁番が離れているほうが扉を支える強度は高くなリますから、ほかの金具の位置や見栄えを考えながらできるだけ間隔をあけた位置に決めるとよいでしょう。
固定時には、ネジどめする際の金具のズレに注意しましょう。丁番の取り付け穴はネジがぴったり収まるように作られているので、ネジを穴の中心に打つ必要があります。少しでも位置が違うと、締め付けたときに金具がずれて固定されてしまいます。扉をきれいに取り付けるために、仮どめや下穴あけをして丁番を正確に固定しましょう。
仮どめ
片手で丁番を押さえながら、もう一方の手で下穴あけやネジどめをするのは至難の業。扉が下がったり、傾いたりして、取り付け作業を正確に行えません。扱いに慣れないうちは、位置を決めて金具を仮どめしてから丁寧に作業するようにしましょう。
家具と丁番のバランスを見て取り付け位置を決めます。上下が同じ位置になるようにきっちり寸法を測ります。
上下左右の位置を合わせ、軸がまっすぐになっていることを確認して、マスキングテープで仮どめします。
下穴あけ
ネジどめする際の位置ずれを防ぐには、キリやドリルで下穴をあけておくと確実です。早く正確に作業できる専用のドリルが販売されているので、こうしたツールを利用するのもおすすめです。付属するネジが短いので、下穴は位置をマーキングする程度に浅くしておきます。
丁番下穴ドリル
取り付け穴の中心に正確に下穴をあけられる専用のドリルビットです。写真の製品はドライバービットにつけるタイプで、ビット交換の手間がかかりません。
ドライバービットの上から下穴ドリルを取り付けます。（軸の形状によって取り付けられないビットもあります）
丁番の取り付け穴にあてると、先端が穴にフィット。その状態で押し付けながらドリルを回して穴をあけます。
先端を穴に押し付けると、中心からドリル刃が飛び出す構造です。（写真は説明用）
簡単かつ正確に下穴をあけることができます。下穴が深すぎるとネジが利かないので、印をつける程度で十分です。
■（著）山田芳照 ：開き扉丁番の取り付け方デザイン、DIY技術監修、DIY講師
