クギ打ち、ノミ打ち、組み付けに活躍
金づちは、クギを打つほかにも、木材の継ぎ手をはめ合わせたり、組み付ける部材を押し込んだりするときに、たたく道具として使います。木材のつなぎには木ネジを使うことが多くなりましたが、隠しクギや真ちゅうクギを使って美観よく仕上げたい作品などもあり、まだまだ手放せない工具です。
金づちは「玄能(げんのう)」とも呼ばれます。頭の両側が打撃面になっているもの、片側がクギ抜きになっているもの、細くとがっていたり薄くとがっているものなど、さまざまな形があります。なかでも代表的なものは、両側が打撃面の「両口玄能」です。ノミ打ちにも適しているので、木工用に1本そろえておくのにおすすめです。
金づちのサイズは、頭の重さで表わされます。重いものほどクギを打ちこむ力は増しますが、あまり重いと振りにくくなります。最初は中くらいの400g弱のサイズが、いろいろ使えてよいでしょう。
木づち、ゴムハンマー、プラスチックハンマーは、直接材料をたたいても表面にあとが残らないので、家具づくりが多い方は組み立てのときに重宝します。ときどき使う程度なら、当て木をして金づちでたたくことで代用できます。
■打ち方の基本
片方の手でクギをまっすぐに持ち、クギが自立するまでは、金づちを小さく振って軽くトントン打ちます。クギがしっかり立ったら、押さえていた手を離して強く打ちます。
大きく振るときは、ヒジから先だけを動かし、最後に手首を利かせます。
頭の重さをいかして振り下ろし、あたる瞬間に力を入れます。
■最後の打ちこみ方
クギの打ちはじめから首が入るくらいまでは、「平」で打ちます。
最後は、クギの頭が木材の面にそろうように、「木殺し」で打ち込みます。打撃面がふくらんでいるので、まわりにあとが残りません。
■(著)山田芳照 :金づち、DIY技術監修、DIY講師