金. 4月 19th, 2024

卓上ボール盤

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「卓上ボール盤」どんな道具?

監修:山田芳照(制作協力:友野昌好)

卓上ボール盤は、作業台に据え付けるタイプの電動ドリルで、 パワーが有り、回転軸が安定しているため、正確で美しい穴を開けることができます。 ボール盤のワークテーブルはドリルビットに対して垂直に固定されるので、ワークテーブルに材料を置くだけで垂直の穴開けが簡単にできます。 また、自作のアタッチメントテーブルを取り付ければ、連続した平行穴など沢山の穴開けを効率よく行うことができます。 それでは、卓上ボール盤の活用法についてご紹介しましょう!

・安全に使う為の準備

卓上ボール盤は、比較的顔の近くで作業するので、帽子と安全メガネは必ず着用しましょう、髪の毛が帽子に収まらない場合には後ろで結ぶなど、巻き込まれない対策が必要です。また、手袋もまき込まれる恐れがあるので着用してはいけません。


安全・確実な作業のために卓上ボール盤は、作業台に固定して使用しましょう。


ドリルビットの取り付け・交換は、コンセントを抜き安全を確認してから行います。


ビットの脱着には、チャックキーというT字型の専用工具を使います。締め付けは1箇所だけでなく3箇所の穴に差し込み均等に締め付けます。動きが悪い場合には潤滑剤を注しスムースに動くようにしておきます。

・ボール盤加工のポイント

1,材料にふさわしいビットの選定

2,材料とビットに適した回転数の選定

3,材料の位置決め・固定

4,スイッチを入れたら、レバーをゆっくり下げてゆっくり上げる。

・ビットの選定


卓上ボール盤で使用できるドリルとして一番安いのは金工用です。名前は金工用ですが木材やプラスチックにも使用できます。


写真のピンバイスを使用すれば、チャックではつかめない、1.0mm以下のドリルを取り付けて使用する事ができます。


写真は同じサイズのビットですが、右は先ネジタイプで自ら材料を彫り込んで行きます。その為ボール盤で使用すると材料を引き上げ、くるくる回って危険です。先がネジ状になっていない物を使用しましょう!


他にも、(左から)ホールソー、自在錐、フォスナービットなども使用できます。
・ホールソーは、名前の通り、穴を開ける為のノコギリで8サイズ程度がセットになっており、必要なサイズのノコギリを取り付けて使います。 ・自在錐は、両側の刃を移動して好きなサイズの穴開けが出来ます。 ・フォスナービットは、座繰りビットとも呼ばれ掘った穴の中が美しく、穴の中を活用する時に使います。

・サンディングドラム用テーブル


厚さ10mm程度の合板にホールなどで穴を開けます。


ベースのフェンステーブルの作り方


その穴にドラムサンダーやフラップホイールを数ミリ入る様にセットしてスイッチを入れれば、様々な素材の側面磨きや削り出しに使えます。


他にも軸付き砥石などを使用することが出来ます。

・角度穴を開ける方法


材料に斜めの穴を開ける場合には、ワークテーブルを傾けて希望の角度にセットします。(ワークテーブル下の角度固定ボルトを緩めると調整できます。)


軽い部材は、墨付けした直角で太い角材にクランプ固定する事で簡単に斜めの穴を加工する事が出来ます。

・回転数の切り替え

加工材が硬いほど、ドリル径が大きいほど回転数は低速にします。


ちなみに、

・鉄板に10mm以上のドリルを使う場合、毎分700回転以下(1速程度)

・木工用自在錐は毎分1500回転/分以下(3速程度)

・木工用ホールソーは毎分2000回転以下(4速程度)で使用します。

詳しくはビットのパッケージをご確認ください。


掛け替える時は、写真の蝶ネジを回しベルトの張りを緩めてから行います。 ベルトは小さいプーリーに移動する側から動かすと簡単です。交換が終わったらベルトの中央を指で押し10~15mm程度たわむ様にモータを固定します。

・作業テーブルを作る


卓上ボール盤のワークテーブルは、金属製の為、材料が滑ったり、サビや油で汚れる心配があります。その為、合板と端材で下記の様な作業テーブルを作ることをオススメします。


12mm程度の合板をワークテーブルより若干大きめに切り、合板の裏側からワークテーブルを挟み込む様に角材2本をビス止めします。(テーブルの厚み以上 の角材を使うとガタつきません。)脱着は前後にスライドさせることで容易にできます。


軽い材料は、ドリルに巻き付いたり、飛ばされる恐れがあるので、回り止めとして、 ダボや丸棒を差せる様に穴を開けておくと重宝します。金属に穴を開ける場合にはずれない様にセンターポンチで凹みを付けておきます。

・小物の固定
小さな材料は、ボール盤バイスを利用して固定します。


特に小さな物や丸材はV字ブロックなどを利用するとしっかり固定できます。

・球体に穴を開ける


球体に垂直の穴を開ける場合には、まず固定した捨て板に玉が落ちるように穴を開けます。


そして、その穴に玉を落として加工すると中心に垂直の穴を開ける事ができます。玉が小さい場合には、バイスプライヤーなどで材料を支えながら加工します。


この方法を利用すれば、引き出しの摘みやポールのエンドカバーも簡単に作れます。


塗装すれば、家具の部材としても十分に利用できます。

・穴深さの調整


穴を指定の深さで止める場合には、スイッチを入れない状態で材料に刃先を当てて、目盛り位置に加工深さをプラスしてストップ位置を決めておきます。


写真の様に小さなスケールをマグネットで取り付けると計算せずに深さを確認する事ができます。スケールの裏側に両面テープでマグネットを貼り付けてあります。


同じ深さの穴を繰り返し開ける場合にはストッパーナットをストップ位置まで下げておきます。上のロックナットも下まで締めれば緩み防止になります。


実際に板を添えて深さを確認しましょう!

・便利な小物


金属の切りくずは、鋭く高温になるのでケガの原因となります、息で吹いたりせず小さいハケやほうきを使用しましょう。


チャックキーは、マグネットで本体に付けておけば、見失う事もなく非常に便利です。

・フェンステーブルの作り方


写真の様なフェンステーブルを製作しておけば、平行に沢山の穴開けをするダボ穴加工や複数の板の同じ場所に穴開けする位置決め加工には大変重宝します。フェンスの付いたテーブル本体は前後にスライドし、赤い直角ガイドはクランプで好きな位置に固定できます。


まず、ワークテーブルの4倍程度の板を用意し、細い材料を板の端にビス留めします。


板を裏返し、フェンスがコラムギリギリで使える様に、あたる部分をカットします。


そして、ワークテーブルを挟む様に角材2本をビス留めして完成です。(角材はテーブルの厚みより厚くすると取り付けた時、安定します。直角ガイド(最初の写真)は、曲尺や市販の三角定規でも代用できます。

・棚板用ダボ穴加工


穴を開けたい位置にフェンステーブルをスライドさせて、ワークテーブルにクランプ固定します。 続いて、ドリル先端に板の端を合わせ、ドリルの延長線上のフェンスに印を付けます。


ダボ穴を加工する板に等間隔の印を付ければ、あとはフェンスの印と合わせてドリルを下げるだけです。


簡単!効率的に平行穴を開けることができます。


1つ作れば様々な用途に活用できます。是非お試し下さい。

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卓上ボール盤を購入するときのポイント


卓上ボール盤のワークテーブルには、丸テーブルと角テーブルが有ります。 丸テーブルはセンターを軸に回転させることができます、しかしその機能が必要ない人には四角いテーブルをオススメします。四角い方が自作の作業テーブルを 活用しやすいからです。また、ワークテーブルの上下がハンドルを回すだけで出来る物がオススメです。 その他、下記の3点についても自分がやりたい作業と照らし合わせてお選び下さい。

1,穴開け能力・・・・・・鉄工13・木工24mmなどと記載が有ります。

2,最大送り量・・・・・・最大穴開け深さ

3,フトコロ寸法・・・・・この寸法の2倍程度の板の中央に穴開けする事が出来ます。

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