「丸ノコ」どんな道具?
監修:山田芳照(制作協力:友野昌好)
その名の通り、丸いノコギリを高速回転させることで材料を切断する電動工具です。その切断能力は非常に高く、直線カットを効率的に行います。
しかし、その構造故に、材料の支え方やクランプの位置などに問題があるとキックバックなどの危険が伴います、その印象が強く敬遠している方も多い道具とも言えます。
ノコ刃は、木材だけでなくプラスチック用から金属・レンガ用まで市販されており、幅広い切断に使用することができます。
それでは、丸ノコを自信持って使いこなせるように、安全で便利な活用法をご紹介しましょう!
・切断手順
まず、材料にベースプレートの先端を乗せトリガースイッチを握ります、回転が安定したらゆっくり切り進んで行きます。この時、丸ノコの刃が墨線に対して まっすぐ平行に入ることが重要です、切り込み後に進行方向を変えることはできません。
材料をクランプで固定することで、丸ノコを両手でコントロールし安全で正確な作業ができます。
●直角を確認しましょう!
ノコ刃がベースプレートに対して直角になっていない場合には、矢印の調整ネジで調整します。
・切り台の使い方
丸ノコを使用する上で特に気を付けなければいけないのはキックバックです、キックバックとはノコ刃が木材などに食いつき丸ノコや材料を跳ね飛ばすことです。
写真の様に切り台を設置してしまうと切断時に右側の材料が下がりノコ刃を挟み込みキックバックの原因になります。
それを防ぐ為には墨線の真下に切り台(端材)を置くことをオススメします。切断時に材料が動きにくいためキックバックを防ぎ綺麗な切断ができます。
墨線下の切り台も一緒に切り込みます。
・切り込み深さの調節
切り込み深さを調整するにはベースプレートを動かすことで行います。
切断する材料より5mm程度出ればOKです、あまり出し過ぎると切断に利用できる刃のストロークが減り切断面が粗くなります。
切り込み深さは、スコヤなどを当てがい調整します。接合する材料の厚さに合わせて複数回切り溝をいれ、ノミなどで仕上げれば簡単に大入り加工ができます。
・平行ガイドの活用
平行ガイドを利用することで材料の端と平行した切断が可能です。 (丸ノコに付属している物も有ります。)板の縦挽きなど幅の狭い切り出しには大変重宝します。
・角度切り
ベースプレートを傾斜させることで、角度切りすることも可能です。
・ジグの活用
材料を精度良く切断するには、ジグの活用が有効です。
写真のようなガイドを利用すれば簡単に直角カットすることが可能です。
間隔プレート
また間隔プレート(左上のアクリル板)を利用すれば、どんな角度でも墨線に沿った直線切断が可能です。
・ガイド定規
長い直線を真っ直ぐ切るには、写真の様な、丸ノコ用ガイド定規が便利です。墨線に直接カットラインを合わせられるので、墨線ピッタリに切断する事が出来ます。 しかも切断時のバリも抑えます。
また、写真の商品は下板から突き出した部分に、折りたたみ式のツメが付いており、切断する材料の縁に引っ掛けて手軽に使用する事が出来ます。 平面に置いた時は本体の重みで折り畳まれます。(写真は、スパイク定規)
・ノコ刃の種類
木工用・プラスチック用・金属用・コンクリート用・レンガ用など色々なタイプのノコ刃が販売されており、ほとんどの素材は丸ノコでカットすることができま す。但し、取り付けできるサイズ(ノコ刃の内径&外径)はしっかり確認しましょう!
また、同じ外径でも刃数の多い物ほど切断面が綺麗です、堅木や薄い材料の切断にも向いています。(刃数が多いほど高価です。)
・集塵・騒音対策
粉塵の出る物を切断するときは防塵マスクを付けましょう。
また、金属などを切断する場合には、音も大きいのでイヤーマフや耳栓を付けます。
丸ノコを購入するときのポイント
まず丸ノコを選ぶ上で最初に考えることは、切断能力(ノコ刃の大きさ)です。2×4材を直角に切断するだけなら大抵の丸ノコで可能ですが、45度の傾斜切断をするためにはノコ刃の直径が190mm以上の物が必要です。
但し、それほど厚い材料を切ることが無ければ、少しでも軽い方がコントロールしやすく便利です。
また最近は、各メーカーからバッテリータイプも販売されており、連続使用や堅木切断が少ないならばこちらの方が便利かも!バッテリーは他の電動工具と共通利用できるとさらに便利です。
ホームセンターなど実際の商品が確認できる場合には、実際に手に取って重さや重量バランスを確認し自分に合った物を選びましょう。
→ 手持ちで使用する場合には、重さや重量バランスはとても重要です。
家具作りなど精度の高い加工をする場合には、アルミダイキャスト製のベースで精度調整ができるタイプ(造作丸ノコなど)を選びましょう。
また、スイッチを入れた時のショックが少ないスロースタート機能と切削抵抗に応じてスピードコントロールされる電子制御付の物が扱い易くオススメです。