ノミでの掘り込みはハードルが高いが、扉がぴったり収まって気持ちのよい仕上がり。
手間が少ない扉側だけを掘り込む加工にしても、見た目の差はほとんどありません。
丁番の掘り込み加工には、柄尻を金づちで叩ける追い入れノミを使います。
1)取り付け位置を決めたら、扉の木口に丁番が収まる寸法で線を引きます。
2)今回は本体側板を加工しないで扉側だけ掘り込むので、プレート2枚を重ねた厚みを測ります。
3)測った寸法をもとに掘り込む深さがわかる線を引きます。線は扉の両面に引いておきましょう。
4)木口に引いた2本の線の外側に、深さの線のところまでノコギリで切り込みを入れます。
5)ノミで断ち落としやすいように、掘り込む部分に細かく切り込みを入れます。この切り込みは線の手前で止めます。
6)このような切り過ぎに注意。扉の両側から確認しながら、ノコギリをできるだけ水平に動かすようにしましょう。
7)断ち落とすときはノミの刃の平らな方(刃裏)を残す側に向けて、刃先を線に合わせてあてます。
8)刃をまっすぐに立てた状態で金づちで柄尻を叩き、切り込みを入れた部分を一気に断ち落とします。
9)落とし切れなかった部分をノミで削り、深さをそろえながら平らに整えます。
10)丁番をあてて深さが足りているか、平らになっているかを確認します。削り足りない部分があればさらに調整します。
11)角丁番と同じ要領で、側板と扉をネジどめして固定します。
12)取り付け完了。掘り込む深さは数ミリ程度なので、ノコギリでの切り込み過ぎに注意してきれいに加工してください。
■(著)山田芳照 :丁番を掘り込み加工デザイン、DIY技術監修、DIY講師