「ディスクグラインダー」どんな道具?
監修:山田芳照(制作協力:友野昌好)
工具先端に付けるディスクを高速回転させることで切削をする電動工具です。その切削能力は非常に高く、様々な材料を効率的に加工する事が出来ます。 ディスクは、木材の研磨用から金属やブロックの切断用まで様々なタイプが販売されています。また、専用のカップブラシや磨き用バフを取り付ける事で、さらに幅広い用途に活用する事が出来ます。 しかし、そのパワーと構造故に、取り扱い方法を誤ると大ケガにもつながるので十分な注意が必要です。 それでは、安全対策を押さえた上で、ディスクグラインダーの活用法をご紹介しましょう!
・安全作業スタイル
まず作業の服装は、長袖・長ズボンと革手袋です。ピッタリした物ではなく誤ってディスクや金属片が触れてもケガをしない様に丈夫な物を着用しましょう。
革手袋・安全メガネ・防塵マスクは必修です。さらに金属やブロックなどを加工する時は音も大きいのでイヤーマフや耳栓を付けます。 イヤーマフや耳栓を付ける事で騒音が半減し、機械の恐怖感も軽減されるので落ち着いて作業する事ができます。
・金属の切断
切断砥石は平らで薄く出来ています、外周部以外の使用は破損の原因となります。ご注意下さい!
まず、ディスクカバーを作業しやすい位置に調整します。
小さい材料はクランプなどでしっかり固定し、火花が飛ぶ円周上から自分の顔や体をオフセットした状態で作業しましょう。
・木材の研削
ディスクグラインダーを利用すれば、木材のR加工が簡単、高速にできます。
精度の高い加工は望めませんが、写真の様な角をとる作業には最適です。ジグソーよりも簡単に滑らかなラインができます。
椅子の座面は少し凹みを付けるだけで座り心地が格段に上がります。こんな加工もディスクグラインダーなら簡単です。
・動かし方
ディスクは材料に押し付けず、一定のスピードで、奥から手前に引く様に動かします。補助ハンドルが有るとより安定した作業が出来ます。
・金属の研削
金属板など連続して切断する時は、ディスクの先端1cm程度を使います、あまり差し込み過ぎるとキックバックの原因になるので注意しましょう。
バリ取りや研削などディスク側面を使用する作業には、オフセット砥石を使用します。
火花が一番出る状態が最も研削効率の良い状態です。その状態を意識しながら作業しましょう。
・サンディングディスク
サンドペーパーを利用した代表的な3タイプをご紹介しましょう!
●ゴムパッド併用タイプ
サンドペーパーだけの交換ができ、価格は一番リーズナブルです。番手も20~120番程度まであり木工の成型にも重宝します。
●多羽根タイプ
サンドペーパーを重ねた構造で、目づまりが少なく、ヤケが生じにくい特徴があります。 ゴムパット併用タイプよりも長持ちします。
●ラジアルタイプ
サンドペーパーが間隔を開けて直立している為、サビや塗料を剥がしても目詰まりしにくく、材料に強く当たって削り過ぎることもありません。
・サビ・汚れ落とし
ワイヤーブラシを装着すれば、サビ落としやバリ取りが効率よくできます。磨く素材より硬いブラシは使わないこと!また、強く押しつけると研磨効率は下がり、ブラシの劣化を早めます。工具の重みを掛けるくらいで十分です。
●ナイロンのカップブラシ
ステンレスの研磨にはナイロンのカップブラシが便利です。凸凹部、曲線部などに順応し、サンドペーパーよりキメの細かい研磨が可能です、しかも生地を傷めにくい性質もあります。
・汚れ落とし
ワイヤーカップブラシを使用すれば、中華鍋にこびりついた焦げ付きを落とす事も簡単に出来ます。
・金属磨き
フエルトバフと研磨剤を使用すれば、金属磨きに威力を発揮します。
写真の研磨剤は、青棒・白棒と呼ばれ バフやフェルトディスクにつけて使う固形油性研磨剤です。鉄、ステンレス、アルミ、亜鉛、銅、真鍮などに使用できます。白棒は、中磨きや刃物の切れ味UPに使用し、 青棒は、 鏡面仕上に使用します。
写真の様に、ディスクを回転させた状態で研磨材を擦り付けます。
そして、磨きたい箇所に当てればあっと言う間にピカピカです。しかしディスクグラインダーでは届かない箇所もあるので、耐水ペーパーを使った手作業も必要になりますが・・・。
・レンガの切断
コンクリート、ブロック、レンガ、タイル等の溝入れ、切断に使用します
レンガを切断する場合には、切断したい箇所に一周2ミリ程度の切り溝を入れます。
そして、溝に平タガネをあてハンマーで一叩きすれば綺麗に割ることができます。
ディスクグラインダーを購入するときのポイント
ディスクグラインダーは、使用するディスクに合わせて100~180mmの物が販売されています。広 い面積を研削する事が多い方以外は、軽くて小回りが効く100mmタイプをオススメします。100mmのディスクは豊富に販売されており、価格も安いので 幅広いDIYに活用できます。 ボディス形状に大きな違いはありませんが、グリップの太さやスイッチの位置で扱い易さは違います。ホームセンターなど実際の商品が確認できる場合には、実 際に手に取って自分に合った物を選びましょう。スピンドルロック機構や補助ハンドルが付属しているかも重要です。
私のお薦めは、握った状態でスイッチコントロールできるタイプです。 最近は、各メーカーからバッテリータイプも販売されており、連続使用が少ない方にはこちらの方が便利かも!バッテリーは他の電動工具と共通利用できるとさらに便利です。