ネジを回す工具がドライバーです。英語ではScrewdriver(スクリュードライバー)といいます。一般的なドライバーはグリップの中心を貫くように金属のシャフトが固定されており、その先端のネジを回す部分が十字状や-字状など様々な形になっています。そして、その先端の形によって、プラスドライバーやマイナスドライバーなどと呼ばれます。
ドライバーの選び方の基本は、ネジのサイズにあったドライバーを使うことです。
合わないドライバーを使用するとネジをなめてしまうことがあります。もしねじのサイズが分からないときは、最初にねじのサイズより大きいと思われるドライバーを試してください。それが合わなかったら次にその下のサイズのドライバーをあわせてみます。それで先端がねじにぴったりと合ったら作業をはじめましょう。ドライバーの使い方の基本は、押す力7に対して回す力3です。ネジに対してドライバーの刃先を押し付けるようにしながら回します。もしねじが軽く回る場合は押す力を弱め、逆に固く回りにくい場合は押す力を強くするといいでしょう。もし、家具の組み立てなどでたくさんのネジを使う場合や、ネジ締めにより大きな力が必要な場合は、手動タイプではなく電気などの動力で動く電動ドライバーを使うといいでしょう。

サイズの合わないドライバーの使用はネジをなめる危険性があります。必ずネジのサイズにあったドライバーを使用しましょう。
最も一般的な、十字の溝が切られたネジを回すために使用するのが、プラスドライバーです。プラスドライバーはJIS規格によってサイズが明確に決められています。No.0、No.1、No.2、No.3と4つのサイズがあり、一般的に使用されるのはNO.2です。家庭では、このNO.2を中心にNO.1、NO.3をあわせ3本揃えておくとたいていの事に間に合うはずです。もう一つの代表といえるマイナスドライバーは、先端が-の形になっています。JIS規格では刃幅と軸の長さで区別されていますが、ドライバーの刃がネジの溝と合っていれば多少サイズが違っても一本で様々なマイナスネジが回せます。しかし、あまりにサイズが違っているとネジをなめてしまうこともあるので注意しましょう。マイナスドライバーは刃幅が3ミリのものと、5.5ミリか6ミリ、そして7ミリか8ミリのものの、計3本ほど揃えておくといいでしょう。

プラスドライバー

マイナスドライバー
●貫通型と非貫通型
ドライバーには貫通型と非貫通型という構造の違いもあります。その違いは軸の取り付け方です。一般的なのは非貫通型。グリップにシャフトが差し込まれているのは同じですが、非貫通型はシャフトがグリップの途中までしかありません。それに対して貫通型はシャフトがグリップを貫き、グリップの底部分がシャフトと繋がる座金になっています。ネジが固着して動かないときなどはこの座金部分をハンマーなどで叩くことでねじに直接ショックを与えることができ、動かないねじを緩めることが可能です。

貫通ドライバーはグリップの底部分が座金になっています。ここを叩くことで固着したネジを緩めます。
同じプラスやマイナスのドライバーでも、作業の目的によっては特別な機能を持ったドライバーを使ったほうが効率的です。例えば狭い場所のネジなら、全長の短いスタビードライバーが向いていますし、固着したネジを緩めるなら貫通ドライバーが向いています。さらにネジには代表的なプラスやマイナス以外のものなどもあります。合わない工具を無理に使うのは避け、特殊なネジには専用のドライバーを使用してください。合わないドライバーの使用はネジを傷めるだけでなく怪我に繋がることもあります。ネジの使われている場所やネジの形、使用する目的に合ったドライバーを使用するようにしましょう。
●スタビードライバー
全長が短いドライバーです。普通のドライバーが入らない狭い場所などの作業に便利です。

●電工ドライバー
ハンドルが丸く大きく、手のひらで包み込むように握れるので、回す時に力が入れやすくなっています。電気工事作業などで使われます。

●ラチェットドライバー
グリップとシャフトが固定されておらず一方向の回転(切り替え可能)の時のみネジに力を加えることができます。グリップを持ちかえる必要がないため通常のものよりも早回しが可能です。

●マグネット入りドライバー
作業中にねじが落下しないように刃先が磁力を持ったドライバーです。

●ソケットドライバー
六角ボルトやナットを回すための専用ドライバーです。

●トルクスドライバー
穴の部分が星の形をした、T型トルクスボルトやネジを回すためのドライバーです。

●インパクトドライバー
グリップ部分をハンマーなどで叩き、その力を回転力に変え、締め過ぎたり固着したねじを緩めます。

●精密ドライバー
メガネや精密機器などのネジの締め付け、取り外しに使用します。

