木. 4月 25th, 2024

トリマー

「トリマー」どんな道具?

Howtoライブラリ

監修:山田芳照(制作協力:友野昌好)

文字通り木材などをトリミング(装飾加工)する為の道具で、 ビットと呼ばれる先端工具を高速で回転させることで切削することが出来ます。重さは2kg程度と軽く、片手で握れるサイズ・形状になっています。 また、いくつかのガイドを活用することで様々な加工を精度良くこなします。

木材の縁飾りには、様々な形状のビットが多数販売されており、好みに合わせて選べます。また、ストレートビットと簡単な治具(ジグ)を使えば、精度の高い 溝堀加工や木端(こば)木口(こぐち)の仕上げ加工が出来ます。さらに、テンプレートガイドとテンプレートを活用すれば家具の飾り加工も容易に美しく出来 ます。

このように木工の仕上がりをワンランク引き上げてくれる素晴らしい道具ですが、動かし方やガイドの選び方にはチョッとしたコツが有るのでその辺をふまえてご紹介しましょう!

・コロ付きビットで飾り面取り


トリマーは、先端に付けるビットを選ぶことで様々な加工が出来ます、中でも一番扱いやすいのがビットの先端にベアリングの付いたコロ付きビットです、材 料の縁に沿って動かすだけでビット形状に装飾加工することが出来ます。


材料にビットが触れない位置で電源を入れ、回転が安定したらゆっくり材料に当てていきます。 ビットの片面が当たる作業では、削り屑の出る方向(右方向)へトリマーを動かします。反対に動かすとトリマーが暴れるのでご注意下さい。


トリマーを進める時は、ベースプレートが材料に密着するように反対の手でサポートすることをオススメします。

・ストレートビットで溝を掘る

大入れ加工や底板の落とし込みなど家具作りには欠かせない加工が簡単に出来ます。


トリマーに付属のストレートガイドを使用することで板の縁と平行に溝を掘ることが出来ます。

トリマーは、右回転のビットの影響で進行方向、向かって左側に進もうとする力が加わります、その為ストレートガイドは右側にして作業することが重要です。

写真のように板などでストレートガイドを延長すれば、材料の端まで来ても安定した作業が行えます。

ポイント! 一回の切り込み深さは、3mm程度にし、深い溝を掘る場合には何回かに分けて加工しましょう。多少手間は掛かりますが、仕上げをキレイにしビットを長持ちさせる秘訣です。

・板の中央部に溝を掘る

ストレートガイドで届かない場所や材料の縁と平行でない溝を掘る場合には、直線のガイドと間隔プレートを使うことをお勧めします。

間隔プレートの作り方

このように墨線ピッタリに溝を掘ることが出来ます。なお、フェンスに沿ってトリマーを動かす場合にはフェンスの右側を使用することが重要です。(理由はストレートガイドで説明したトリマーの特性に対応するためです。)

硬い材料やフシの多い材料など抵抗が大きい場合には、上の写真のように一度墨線の1~2mm内側を削り、次に墨線に沿って加工するとキレイに仕上がります。

トリマービット

・トリマービットについて


トリマーに使用できるビットは、基本的に6mm軸だけです。しかし、別売りのインチ軸用のコレットを購入することで、1/4インチ(6.35mm)のビットも使用することが出来ます。

トリマービットは、コレットチャックによって固定されます。ビットを付けずに固定ナットを締め付けるとコレットコーンの破損の原因になるのでご注意下さい。

ビットを取り付ける際は、一旦スピンドルの奥に当たるまで差し込んだ後、数ミリ引き出して固定します。ビットを長くして使用したい場合でも最低15mm 程度はくわえさせましょう。それ以上長くしたい場合には軸の長いビットを購入しましょう。

ビットの出はスコヤなどで確認します。

・トリマーガイドの使い方


コロの無いビットで縁加工する場合には、トリマーガイドを使用します。

作業する感覚は、コロ付きビットと似ていますが、ローラがビットの中心にないため当り角度が変わると切り込み幅が変わります。特に曲線部を加工する場合には常に接点に対して垂直に当たるように気を配りましょう。


写真の加工はストレートガイドを使用しても出来ますが、曲線部の段欠き加工はトリマーガイドならではです。また、ストレートビットの刃とローラーの高さを揃える事でフラッシュビットの様に使用することも出来ます。

・テンプレートガイドとは


写真のような型板をテンプレートと言い、それに沿ってストレートビットを進めるためのガイドをテンプレートガイド(又はダブテールガイド)と言います。


テンプレートに使用する板はガイドの高さより少しだけ厚い物を選びます。矢印の部分がテンプレートにあたる為、テンプレートを削ってしまうことはありません。

・テンプレートガイドの活用法


家具の曲線加工をする場合にもテンプレートが活躍します、あらかじめ墨線の数ミリ外側をジグソーで粗取りしておくことで、少ない抵抗で綺麗な加工が出来ます。


 左右対称のデザインや 同じものを何枚も加工する場合には大変重宝します、面倒がらずにテンプレートを活用しましょう。

・安全対策

トリマー作業では、木片や折れたビットが飛んで来ることもあります、使用する時は必ず安全めがねを付けましょう。


また、音も大きいのでイヤーマフや耳栓を付けることを心がけたいものです。

トリマーを購入するときのポイント

メーカーによっていろいろなスタイルの商品が販売されております、ベースプレートが傾斜する物やビットの出を微調整出来るものまで様々です、目的の作業に適しているか確認しましょう。

 ホームセンターなど実際の商品が確認できる場合には、グリップの太さやベースプレートの調整具合など実際に手に取って自分に合った物を選びましょう。
→  トリマーは手持ち作業が多いため、グリップの握りやすさも重要です。

スイッチを入れた時のショックが少ないスロースタート機能と切削抵抗に応じてスピードコントロールされる電子制御付の物が扱い易くオススメです。


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